南極の魚は凍らないのか
南極の海の温度はマイナス2~3℃になりますが、南極の魚は凍らないのでしょうか?
ふつう温帯海域などに住む魚はマイナス0.8℃になると凍りますが、南極の魚は海水温度が低い南極の海でも凍らずに暮らしています。
南極の魚の80%はノトセニア科に属する魚で、南極の海にだけ生息しています。では南極の魚が凍らないのにはどんな秘密があるのでしょうか?
それは不凍タンパク質という物質をもっているからです。不凍タンパク質は水を凍らせないようにする性質があります。
普通水を凍らせると、まず氷核(氷の核)が作られ、氷核ができると一瞬にして四方八方へと成長して凍りつきます。
しかし不凍タンパク質は水を特殊な形の結晶にゆっくりと誘導し氷の結晶の成長を妨害します。
この結晶は一定の温度範囲内で成長が止まり、それ以上広がらない性質をもつので、凍りません。
南極の魚は極寒の海で特殊な体液をもつことで、生きているのです。