クマノミとイソギンチャクの共生

異なる種類の生き物が協力して生活することを「共生」といいますが、クマノミの仲間とイソギンチャクも共生する事でよく知られています。 イソギンチャクの周りを泳いでいるクマノミの姿を映像や画像で一度は見たことはあると思いますが、クマノミはイソギンチャクを住処にしています。 触手に刺胞という毒針を持っていて他の魚が近づけないイソギンチャクを住処にすることで、外敵から身を守っています。 イソギンチャクは、触手に刺胞という毒針を持っていて魚が触れると針を突き刺し動けなくして食べますが、クマノミはイソギンチャクに刺されて餌になることはありません。 なぜならクマノミの体表から出す粘液は他の魚とは違う特殊な粘液であるからです。 この粘液はイソギンチャクが出す粘液と似ていて毒針の発射を抑えてくれます。 クマノミはイソギンチャクを利用する事で、外敵から身を守るメリットがありますが、 ではイソギンチャクは何かメリットがあるのでしょうか。 クマノミが餌を運んできてくれるとか、リラックスできて健康状態がよくなるとかいろいろ言われていますが、はっきり断定されていません。 もしかしたらイソギンチャクにはメリットはないのかもしれません。

生まれたての稚魚には粘液がない

クマノミは特殊な粘液のおかげで、イソギンチャクの中で生活することができますが、生まれたときから特殊な粘液をもっているわけではありません。 卵はイソギンチャクの側の岩などに生み落とされ、両親に見守れながら1~2週間でふ化しますが、生まれた直後は粘液がなくイソギンチャクに触ると殺されてしまうので、水面付近で漂って生活します。 粘液が完成するのはふ化して、1週間ぐらいです。 粘液が完成するとイソギンチャクを求めて移動しますが、その時、目でイソギンチャクを探すのでなく、イソギンチャクがだす化学物質をにおいでかぎわけ探すそうです。

種類によって住処(すみか)にするイソギンチャクの種類が決まっている。

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