クロシジミとクロオオアリの同居生活
クロシジミ チョウ目シジミチョウ科 分布 本州・四国・九州 |
クロシジミは幼虫の時クロオオアリの巣で過ごし育ててもらいます。
クロシジミの卵はアブラムシのいる草で、近くにクロオオアリがいる場所に産み落とされます。
草に産みつけられた卵からふ化した幼虫は、アブラムシの分泌物をなめたり、クロオオアリからエサをもらったりして地上で成長します。
3歳頃になるとクロオオアリによって巣に運ばれ、クロオオアリと同居生活をするようになります。 巣ではクロオオアリに口移しでエサをもらいながら成長します。
クロオオアリがクロシジミの幼虫の世話をする理由としてアリの好む分泌物(蜜)を体からだし、クロオオアリに与える事があります。
またアリのにおいを身にまとい、アリに自分の仲間だとだまして世話をさせていることが最近の研究でわかってきました。
冬の寒い時期も温かいアリの巣で過ごしたクロシジミの幼虫は春になると巣の出口 付近でさなぎになります。
さなぎになると蜜は出さなくなるのですけど、においは残っているので、攻撃されません。
羽化するとクロシジミの成虫は今までアリをだましていた匂いをださなくなり、攻撃される心配があるので、アリから逃げるように一目散に地上に出てきます。
草の上にたどり着いたクロシジミの成虫はゆっくり羽をのばし飛びだっていきます。
クロシジミはアブラムシ、クロオオアリと共生する珍しい生態や生育環境の悪化のために年々減少していて、絶滅危惧種に指定されています。